2025年6月の投稿

昨夜、最近お気に入りの AiGoz (アイゴーズ)のライブを楽しんだ。
最近では一番観に行っているバンドに間違いない。
ブルースじゃない。
ソウルでもR&Bでもない。

ロックだっ!!!

でもね、良いのですよ。
メンツは
春日”ハチ”博文さん、カルメン・マキ&OZのレジェンドギタリスト。
私が中高生の頃の日本のロック3大ギタリストは、竹田和夫、森園勝敏、そしてハチさんだったなぁ。
ちなみに初めて見たのは1975年5月、高校1年の時に武道館、グランドファンクのオープニングアクトで。
7月は後楽園球場のワールドロックフェスティバルだったなぁ。
ベースは子供バンドのたぶん最後のベーシスト、勝誠二さん。
ドラムは無茶苦茶いろんなところで叩いている丹菊正和さん。
あ、ドラマーじゃないか。
SPICY BEAT PERCUSSION というらしい。
この3人、各個人が超スーパープレイヤーなので、いわゆるインタープレイが格好いい。
次に何が出てくるか分からない楽しみがあると同時に、やっぱり昔のロックを感じるところが良い。
そして全員歌がうまい!
勝手に「魅惑のコーラスグループ」と私は呼んでる(笑)

と、今日の本題は、そこではない。
たまたまアイゴーズが演奏した曲について。
「ディープパープルを演ります!!」と言って始まった曲は
Wring That Neck (我々の世代は”Hard Road”だったね。いつからかタイトルが替わってる) というインストだ。
まぁ、正直言ってパープルは好きでもなかったし、一生懸命聞いてもいない。
だけど、中高生の頃周りの皆はバカみたいに聞いてたので、自然と記憶にある。
でもね、この曲はパクリなのよ。
たぶん高校の時に買った日本キングから出ていたオムニバス3種のうちの1枚。
凄いサブタイトルは「ブルース・その源流のさすらい人」、誰が考えたのかね、恥ずかしいわ。
あの時代に、南部の思いっきりマイナーなレーベルのシングル盤集めて作った3種。
渋すぎ!
その第3週「Stretchin’ Out」、しかもLPのタイトルにもなったその曲は、Don Sugarcane Harrisの名インストだ!
この人、珍しくバイオリニストなのです。
そして、Don & DeweyのDonの方です。
Don & Deweyと言えば、スペシャルティ・レーベルのR&Bデュオで、 “I’m Leaving It Up to You” とか”Justine”, “Koko Joe”とかで有名。
Stretchin’ outは1959年に録音され、実際にシングルで発売されたのは1962年らしい。
Donのかっこいいエレクトリック・バイオリンにデューイの華麗なオルガン。
めっちゃ気に入ったのだけど、実はこの時パープルの盗作物は知らなかった。
普通は逆なんだろうけどね。
このドンさんですが、その後フランク・ザッパのマザーズ・オブ・インヴェンションに参加したり、けっこうな枚数のソロアルバムも残してるみたいだ。

で、問題のその曲は1968年にディープパープルに見事パクられます。
元曲がかっこいいからねえ、でもここまでそっくりだとバレるって分からないかねぇ??

ちなみに、さらにそれを It’s Beautiful Day がパクるのであります!!!
まあ、この2バンドは遺恨があるらしく、その前にはイッツ・ア・ビューティフル・デイのデビューアルバムに入っている”Bombay Calling”をパープルが盗んで”Child in Time”としてレコーディングしたのだ。
これは、その後にジョン・ロードがはっきりとパクったと語ってる。
その報復が Wring That Neck (Hard Road)だったんでしょうか?
でもね、Beautiful Dayがパクって付けた名前がなんと “Don & Dewey”!!!
「この曲のオリジナルはドン&デューイの曲なんだぜぃ!!」
と言わんばかりの曲名!
It’s A Beautiful Day の勝ち!
Deep Purpleの負け!

でもどっちにしても地味な黒人ブルースマンには印税が入ってこないのね(涙)