すっかり会社員になった15年ほど前の花見の話。
以前から会社のみんなで「花見」に行きたいね、などと話はしていたのだが、3月末から4月の一週目までは準繁忙期でとても早あがりで桜見物などできる状態ではなかった。
しかし、その年は「よし!なんとか皆で協力し合い、今年こそはお花見決行だ!」と盛り上がった。

当時、私は田無(現西東京市)の営業所長だった。場所は当然「小金井公園」。
決行日は金曜の夜。これは間違いなく混むはずだ。
当日の昼、一番若い社員のO場くんに漫画本数冊と、ゲームボーイを手渡し、「いい場所を確保しろよ!」と場所取りを命じた。

仕事も順調に進み、夜7時頃には全員参加で初の花見が開催された。
最初は慣れない雰囲気に地味な宴会の開始だったが、次第に盛り上がり、野外で開放的なことも手伝ってか酒のピッチはどんどん上がっていく。
酒が切れてしまい、近所の酒屋に焼酎の一升瓶を買いに行かせるも、その一升は10分で空になる始末。

もうこうなると訳がわからない。
それまでの人生70年間、ほとんど酒を飲まなかったという業者のY和さんもへべれけに酔い、K子ちゃんは公衆便所に入ったまま出てこないので、外からがんがん壁を楽しそうに叩くやつら、アルバイトのS訪くんは私の4の字固めの犠牲になり泣き叫ぶ。阿鼻叫喚、ゲ〇の嵐。
泥酔して動けなくなったやつのために、家まで帰って車に乗ってくるやつ(彼も泥酔)まで現れ、一歩間違えばたいへんなことになっていたかもしれない。

眼鏡がなくなったやつ、財布をなくしたやつ、当然ゲームボーイは行方不明。
我ながらよく帰れたものだ。

前出のK子ちゃんは、自宅のトイレで吐きながらタオルを一緒に流して詰まらせ、数万円の修理代を支払ったという。

翌年、また小金井公園の花見は実施されたが、とても地味で寒い宴会に終始した。
そして私は国分寺の営業所へ転勤となり、その後二度と花見は行わなかった。

「命賭け、死ぬ気でのぞむ、小金井公園」
またまた、字余り・・・。

この投稿は、2008年4月8日 火曜日に、カテゴリー「Everyday I have the Blues (日記の項), Sloppy drunk (酒の項), When you got a good friend (友人の項)」に投稿されました。
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コメント(4)

くどー
 1 

小金井、のキーワードにドキドキしながら読み進めましたが、Vシネマ2がここでもっ!

しかし、すごい。。。
伊藤さんが通った後には、
バタバタと酔っぱらいが倒れているような、
そんな映像が浮かびます。

>またまた、字余り・・・。

あ、三作目にして、これが川柳だったんだと、
始めて気がつきました!

字余り。
ブルースで言えば、
・・・なんでしたっけ?

「ちょっとソロ長過ぎるよ〜くどーちゃんっ!」

2008年4月9日 1:54
Masazumi Ito
 2 

> 小金井市民のくどーさま

毎年毎年、あの広い小金井公園の敷地に、いったい何人の酔っ払いが集まるのでしょう。
小金井市民、自慢の行事ですね。

2008年4月9日 9:41
OOe
 3 

先日、我が家の母子3人は、ご近所さんたちと小金井公園に遊びに行ったらしいのですが、あまたの酔っ払いたちの汚物をコヤシに育った芝生の上で、うちの2歳の次男は無邪気に転げまわっていたのですね・・・・・。

2008年4月9日 11:33
Masazumi Ito
 4 

> OOeさま

たぶん、私のもコヤシになっていることでしょう。

2008年4月9日 15:30

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